アシュタカヴァルガって何を見るの? ~点数で決まる、あなたの強さ。

先日、ニュースレターの読者さんからとても面白い質問をいただきました。

2026年8月20日に東武日光線で起きた大変痛ましい事故についてです。
「こういう事故もパンチャンガで見えてきたりするものでしょうか?」
そのとき私は、こういう出来事を詳しく検証するのであれば、パンチャンガだけではなく、アシュタカヴァルガを使うと、もう少し詳しく見えてくるかもしれません、とお答えしました。

この記事では、東武日光線での事故について検証しません。そう言う趣旨での記事ではないので、期待したひとはごめんなさい。

今回は、アシュタカヴァルガとその面白さについて書こうと思います。

ただ、「アシュタカヴァルガという別の技法があります」と説明するだけでは、たぶん何のことだかよく分からないですよね。私自身も、アシュタカヴァルガを最初に見たときは数字だらけで、「これはいったい何を見ればいいんだ」と思いました。ですので、実際に私自身に起きた出来事を使って見てみることにしました。

ちょうど分かりやすいものがあります。私が現在も毎週出演している、恵比寿の占い館です。私は2023年12月19日から、ここで定期的に鑑定をしています。では、この仕事を始めた時、私のアシュタカヴァルガには何が出ていたのでしょうか。

目次

まず、この数字だらけの表は何なのか

これが私のアシュタカヴァルガです。初めて見る方は、おそらく「何だこれ」と思うでしょう。インド占星術のチャートはただでさえ初見では分かりにくいのに、アシュタカヴァルガになると数字まで大量に並んでいます。でも、今回見るところはそれほど多くありません。

画像を見ると、12星座それぞれに数字がついています。私の場合は、牡羊座30、牡牛座23、双子座30、蟹座26、獅子座24、乙女座30、天秤座27、蠍座30、射手座38、山羊座29、水瓶座23、魚座27となっています。これがサルヴァ・アシュタカヴァルガと呼ばれる数字です。

アシュタカヴァルガでは、それぞれの惑星が12星座にどの程度の力を与えているかを点数で表します。サルヴァ・アシュタカヴァルガは、それらをまとめたものです。全体の合計は337点ですから、12星座で割ると平均は約28点になります。28点前後をひとつの基準として、それより高いところは比較的力を使いやすく、低いところは力が出にくかったり、負荷を受けやすかったりすると見ていきます。

私の表を見ると、一か所だけ妙に高いところがあります。射手座です。38点あります。他が20点台から30点くらいに収まっている中で、ここだけ明らかに突出しています。つまり私の場合、12星座の中では射手座がかなり強い場所だということになります。

では、射手座38点だから大成功しているのか

ここで一つ、アシュタカヴァルガについて誤解しやすいところがあります。「38点もあるなら、その場所ではものすごく運がいいのでは?」「仕事に関係するなら、かなり儲かっているのでは?」と思いますよね。

ところが、今回例に出す恵比寿の仕事に関していえば、全然そんなことはありません(笑)。新規のお客さんは本当に少なくて、月に一人来れば「今月は新規のお客さんが来たな」というくらいです。もちろんゼロの月もあります。売上だけ見れば、「今どきの高校生のお小遣いの方が多いんじゃない?」と思うような月もあります。

だから、射手座38点を見て「ここで仕事をすれば大繁盛します」「ものすごく儲かります」と読んだら、それは完全に外れています。

ところが、この恵比寿の仕事には別の特徴があります。リピーターさんがとても多いのです。一度来てくださった方が、また来てくださる。そして、長くお話しする方が多い。鑑定を一つして終わりというより、「そういえば先生、これも聞いていいですか」「実はその後こんなことがあって」と、だんだん話が広がっていくことが多い場所です。

ここを見ていくと、射手座38点の意味が少し違って見えてきます。

射手座は対人関係の7室

私は双子座ラグナです。双子座を1室として数えていくと、射手座は7室になります。7室というと、インド占星術を勉強している人なら、まず結婚や配偶者を思い浮かべると思います。もちろんそれも重要なのですが、7室はそれだけではありません。

1室が「自分」なら、その真正面にある7室は「自分の向こう側にいる人」です。自分と一対一で向き合う相手、配偶者、相談相手、契約相手、仕事であれば顧客や取引相手もここで見ます。占い師の仕事を考えると、とても分かりやすいと思います。私は机を挟んで一人のお客さんと向き合い、その人の話を聞き、チャートを見て、カードを引いて、また話をします。まさに一対一の仕事です。

その7室にあたる射手座が、私の場合38点あります。ですから、ここで大事なのは「38点だからたくさんのお客さんが来る」ということではなく、「一対一で人と向き合うという7室の働きが、私にとって使いやすいのではないか」ということです。

実際の恵比寿での仕事を考えると、私はこの読み方の方がずっとしっくりきます。

恵比寿という場所そのものも、私には合っている

恵比寿の鑑定場所はマンションの一室です。これも私はかなり気に入っています。

占いのお店はいろいろあって、デパートやショッピングモール、商業施設の中に入っているところもあります。ああいう場所は人通りがありますから、新規のお客さんは入りやすいと思います。でも、その代わり、どうしても人目があります。これはお客さんもそうでしょうし、私自身もやっぱり気になります。

占いでは、かなり個人的な話をします。恋愛、夫婦、家族、仕事、場合によっては誰にも言っていないようなことまで話す方がいます。そのとき、すぐ横を人が通っていたり、隣のブースから声が聞こえたりすると、やはり完全には落ち着きません。

その点、マンションの一室は楽です。扉を閉めれば、基本的には私とお客さんだけです。お客さんも落ち着いて話せるし、私も落ち着いて聞けます。そのせいなのか、恵比寿では話がかなり深くなることがあります。一人のお客さんと、じっくり腰を据えて話す場所になりやすいのです。

新規のお客さんが次から次へと来る場所ではありません。でも、一度来てくれた方とは長く付き合いやすく、深い話になりやすい。これは7室射手座38点というものが、単純な「客数」ではなく、こういう形で現れているのではないかと思っています。

さらに射手座そのものも、人生観、思想、学び、意味を探すこと、教えることなどと関係する星座です。実際、占いの相談でも「彼と付き合えますか」という話だけで終わらず、「そもそも、どうして私はこういう人ばかり選んでしまうんでしょう」「私はこれからどう生きたいんでしょう」という話にまで進むことがあります。こういうところも、私はとても射手座らしいと思います。

仕事を始めた日の星も見てみる

そして、もう一つ面白いものがあります。私が恵比寿で仕事を始めた2023年12月19日の星の配置です。

この日、水星は射手座を運行していました。私は双子座ラグナなので、水星はラグナロードです。ラグナロードというのは、その人自身を表す非常に重要な惑星です。

つまり、「私自身」を表す水星が、私にとってアシュタカヴァルガの点数が最も高い射手座を通過していた時に、「お客さんと一対一で向き合う仕事」が始まったことになります。(まぁ逆行なのですが。)

しかも、アシュタカヴァルガには、先ほど見たサルヴァ・アシュタカヴァルガとは別に、それぞれの惑星ごとの点数を見るビンナ・アシュタカヴァルガというものがあります。水星だけを見てみると、私の射手座には6点あります。0から8点の範囲ですから、6点は比較的強い数字です。

つまりこの時は、射手座そのものがサルヴァ・アシュタカヴァルガで38点と非常に強く、さらに、その射手座を通過していた水星自身から見ても6点ある、という状態でした。

普通のトランジットだけを見るなら、「双子座ラグナの人の7室を、ラグナロードである水星が通過していますね」というところまでです。それだけでも、人との関わりや対人活動が動きそうだとは読めます。

でも、アシュタカヴァルガを見ると、そこにもう一つ情報が加わります。「しかも、その7室は、この人にとって非常に力のある場所ですよ」ということが分かるのです。

私は、この部分がアシュタカヴァルガの面白さだと思っています。

38点だから大吉、ではない

ただし、ここはとても大事です。アシュタカヴァルガは「38点だから大吉」「23点だから大凶」という占いではありません。

私の恵比寿の例が、まさにそれを説明しています。射手座38点なのに、別に大儲けはしていません。新規のお客さんが毎月何十人も来るわけでもありません。

それでも、この場所では私はとても楽にお客さんと話せます。長く付き合ってくださる方も多いです。一対一で、かなり深いところまで話せます。そして、この仕事は2023年から今まで続いています。

これなら、「射手座38点がよく働いている」と考えることができます。

お金がどれくらい増えるのかを見るのであれば、2室や11室なども見なくてはいけません。職業そのものなら10室も関係します。さらに、その時どのダシャーを運行しているのか、出生図でその惑星がどんな状態なのか、現在どの惑星がどこを通過しているのか。インド占星術では、そうしたものを重ねて判断します。

アシュタカヴァルガの数字一つだけで、結果を決めるものではありません。

ただ、「同じトランジットなのに、なぜ人によって起きることが違うのだろう」と考えた時に、「そもそも、その星座から受け取れる力が人によって違う」という情報を加えてくれるのがアシュタカヴァルガです。

パンチャンガでは、その日に流れている時間の性質を見ます。トランジットでは、今、空の惑星がどこを動いているのかを見ます。そしてアシュタカヴァルガを見ると、「では、その惑星がやって来た場所は、あなたにとってどのくらい力のある場所なのか」ということまで分かってきます。

同じ空の下にいて、同じ惑星の動きを受けているのに、全員に同じことが起きるわけではありません。その「人による違い」を数字で見せてくれるのが、アシュタカヴァルガという技法です。

そして私の場合、射手座38点は、どうやら「ガッポガッポ儲ける」という形ではなく、「一人のお客さんと腰を据えてじっくり話せる」「一度できた関係が続いていく」という形で、かなりよく使われているようです。

こうやって実際に起きたことと照らし合わせてみると、数字だけ並んでいたアシュタカヴァルガが、急に生きたものとして見えてきます。

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